清潔なマスクを保つための工夫

看護師は、医療従事者の中で患者に接する機会がもっとも多い仕事と言える。それだけに、衛生管理には細心の注意を払わなければならない。特に衛生用品のマスクは常に清潔に保つ必要がある。使い捨てのマスクなら汚れが付着する都度、交換することができる。布マスクは洗うことで繰り返し使える物だが、交換のタイミングは使い捨てのマスクと変わらない。汚れが付着したら別のマスクと交換し、その間に洗って汚れを取り除くのが正しい扱い方だ。マスクを洗う際は生地を傷めないように手で優しく揉むことを心がける。洗濯機で洗うと生地や耳に引っかける紐が傷んでしまうので避けるのが賢明だろう。同様の理由で乾燥機の使用も避けたほうが良い。

洗ったマスクを乾かす際は、形を整えたうえで風通しが良い日陰で干す。日光に晒すと、日焼けによる変色が生じるおそれがあるので注意が必要だ。消毒を目的としてアルコールや塩素を振りかけるのは、生地が傷む原因になるので良くない。洗った時点で付着した細菌のほとんどが取り除かれているので、改めて消毒を行う必要はないと言える。マスクを長期間使わない場合は埃が付着するのを防ぐため、密閉できる容器に入れて暗所に置くのが正しい保管方法である。容器に入れるのは、埃の付着以外に害虫による虫食いを防ぐ理由もある。カビの発生を防ぐために、乾燥材を一緒に入れることも忘れてはいけない。洗えるマスクは生地の変色やほつれが生じた時が交換のタイミングである。

マスクを使う看護師に役立つメイクの工夫

マスクを長時間付けていると、湿気が籠ったりマスクの生地で肌が擦れるなどの理由でメイクが崩れることがある。マスクを外すのがもっとも簡単な方法だが、看護師のようにマスクが欠かせない仕事では安易に外すことはできない。マスクを付けてもメイクが崩れないように工夫することが肝心と言えるだろう。マスクによるメイク崩れは、その多くが湿気によるメイク層の溶解を意味する。吐いた息の水分がマスクの中に籠る他、次第に温度が上がって発汗量が増加する。これらの要因でマスクに覆われている部分のメイクが溶けてしまい、見栄えが悪くなる。この状態を防ぐには肌への密着度が高く、撥水性に富んだ化粧品を使うのが無難な方法だ。

油分が多く、吸着作用が強いファンデーションを塗ることで少々の湿気なら影響を受けなくなる。肌へ塗る際は厚さを均一に保つのが吸着性を損なわないための工夫である。また、汗をかくのを防ぐために冷感作用があるマスクを選ぶのも効果的な方法だ。汗をかかなければそれだけメイクが崩れるリスクを軽減できる。マスクの生地がメイク層に擦れるのはサイズが顔の形に合っていないためである。丁度良いサイズなら鼻やあごに引っかけることでマスクの位置が安定し、簡単にはずれない。マスクは大きすぎても小さすぎても良くないので、自分の顔の大きさや形を考慮したうえでマスクを選ぶことが重要と言える。ワイヤーで形を整えることができるマスクは、ずれにくいのでサイズ合わせに困った時は重宝する。マスクとうまく付き合っていくためにも、自分に合ったマスクを見つけることから始めたい。
また、マスクの長時間使用に対応できるメイクの方法を工夫するのが、衛生管理とキレイを両立させたい看護師の秘訣と言えるだろう。